DCソレノイドとは


(『正しい制御機器の使い方 ソレノイド編』より抜粋)

◆1.1)ソレノイドの機能:

 ソレノイドは電気的エネルギーを機械的直線運動に変換し、ソレノイドの可動鉄芯に結合された機構(機械的負荷)を駆動する。

 即ち、外部の機構と連結し、これに対向する固定鉄芯から一定の距離(ストローク)に引き離された可動鉄芯は、コイルに電流を流した時に発生する磁束によって、固定鉄芯との間に作用する吸引力により、固定鉄芯に向かってその軸方向に急速且つ直線的に固定鉄芯に密着するまで移動し、外部機構に機械的運動を与える。

 コイルの通電を継続すれば可動鉄芯は固定鉄芯に吸着した状態を保つが、電流を断とすれば可動鉄芯に結合している外部機構又は、復旧バネの力で元の位置に引き戻される。以上は、プル型の基本機能であるが、この他に可動鉄芯に結合したプッシュバーが固定鉄芯を貫通したプッシュ型がある。

 

◆1.2)ソレノイドとは:

 ソレノイドにはプランジャ型、フラッパー型、ロータリ型などの基本形がある。いずれもプランジャ又は、固定鉄芯の周囲に巻かれているコイルを励磁するという電気的な原理の点では同じであるが、機械的にはかなり異なっている。

 語義的には、「ソレノイド」という言葉はギリシャ語の「Solen」から派生した管状構造物をさしており、従ってフラッパー型ソレノイドは正確には電磁石(マグネット)と呼ぶべきものである。

 

◆1.3)ソレノイドの歴史:

 電磁リレーは1835年に欧米に於いて発明された。1837年にはモールス電信機が発明され、1890年にはリレーを用いた自動交換機の実用化を見た。このように電磁リレーは電信機を主体にして発展してきた。ソレノイドは電磁リレーと技術的に併行するもので、電磁リレーの発明はソレノイドの第一歩といえる。

 ソレノイド本来の電気エネルギーを機械的直線運動に変換させることを目的に実用化されたのは、1900年代になってから欧米に於いてである。

 我国に於いては、昭和25年(1950年)頃に一部特殊放送機器関係に使用されていたが、構造が簡単で且つ安価であることから昭和35年(1960年)頃から急速に普及しはじめた。

 特に、昭和40年(1965年)アメリカ・リアジェット社による8トラックエンドレス・カートリッジが出現し、カーステレオとして発売され、これが我国にも技術導入されて、昭和42年(1967年)には本格生産されると、ソレノイドの使用量も急激に増大した。

 一方、昭和40年(1965年)頃からの高度成長に伴いオートメーション化が叫ばれ、省力化傾向を強めるとともに、自動販売機、自動生産機械など産業分野での採用も急ピッチで拡大された。

 このように、音響機器・家電製品といった民生機器から自動販売機・事務機器、さらに産業機械の分野まで多面にわたる市場を展開してきている。